坂本龍一が大貫妙子と一時一緒に暮らしていたという話は、彼が亡くなって「僕はあと何回、満月を見るだろう」が単行本になってから知った。「新潮」の原稿でそれが触れられたのは昨年の夏のことだったそうだから、いまさら本を読んで知って少し驚いた。
色んなことを考えて、その全ては当然表現しきれないし表現できないけれど、この文を書いた人も同じような思いがあったのだろう。2人の書き残したものを丁寧に追っている。
単なる「色事」とかそういうことではなく、創造の観点で振り返りたくなる出会いというのもあるのだろうし、自分自身の個人的な記憶に重ねると(僭越極まりないが)何百分の1は共感させてもらいたいと感じたりする。
しかし若い時にカッコよかった世代が次々とここを去っていく。そういうものだと割り切ってはいるが、時折ため息も出る。