『路傍』(李光洙)路傍(みちのべ)に私はゐる

住ひといふほどの住ひではない

ほんの小屋がけです。

往き交ひの誰彼といはず

寄りたいときにお寄り下さい

むさくるしい 狭いところぢゃありますが、

ぢきに腰を上げようと

ゆっくり逗留なさらうと それはお心まかせです。

私は語り手になりませう

ときには興にまかせて歌も歌ふ、

それもお心したいで

なにがなんでもお聴き下さいといふのではありません。

生あるかぎり

私はこの路傍を離れますまい、

そして語り手になり

歌を歌ふのです。

通りがゝりのどなたでも

氣の向いたときはお寄り下さい

歸りたければ いつまた歸られてもよろしいのです。

#詩

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