そんな夢見心地の中、半信半疑でその惑星の大地に降り立つと、そこは私の知っている地球と驚くほどに瓜二つだった。

瓜二つだからこそ、かつて私が住んでいた地球との差異がよく目立つ。今まで見たことのない文字体系の言語、奇妙な外観の建築物、何もかもが未知の世界。

だがそんな些細なことはもうどうでも良くなってきた。私はすぐさま携帯していた偵察用の飛行端末を飛ばして、辺り一面の情報をスキャンし解析を進める。

解析を進めれば進めるほど、私の記憶の中の地球が本物なのか、それとも今私が立っているこの星こそが本物の地球なのか、分からなくなってくる。

それから数日後、解析した情報をもとにすでに謎の言語の翻訳が可能になり、ここから近い街のありとあらゆる情報を手に入れていた。

私は決心した、これからこの世界で生きていくと。この世界こそが本当の地球で、私は何か悪い夢を見ていたのだ、そう言い聞かせ、あたかも遠い国からやってきた外国人観光者のように振る舞うことにした。

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最初こそありとあらゆる物に警戒していたが、慣れという物は時に恐ろしい物で、あっという間に私はこの世界に溶け込んでしまっていた。

なんだ、地球は滅んでなんかいなかったのだ。何故ならここが本当の地球なのだから。

すっかり慣れきった私は、山の奥地でひっそりと構えていた居も捨てて、街へ繰り出し、ついに現地住民と直接コンタクトすることに成功した。

すると何処からだろうか、ものすごく良い香りがする。いや、良い香りというよりも、ある意味いけない香りがするのだ。思わず気になってしまい道行く人に尋ねる。この香りは一体何だ?

ああ、そこに美味い店があるんだ。まあ、わざわざこの国で食べるものではないかもしれないが、それでもこの辺りじゃとても人気の店だからな。

警戒心が解けた今、人間としての生理的欲求がふつふつと湧き上がってくる。空腹には勝てない。私はその店で食事をすることに決めた。事前に収集した情報では、この星の住人が口にする食べ物の成分の組成は、99.99%同じだと分かっていた。

いらっしゃいませー、奥のカウンター席へどうぞー。

ああなんてたまらない香りなんだ、胃がうずうずしてくる。待ちきれない私は、オーダーを聞かれるやいなや威勢良く、一番人気の物でと注文した。

そして出されたのはピザだった。

驚くほど普通に美味しそうなピザだ。私は呆気にとられた。

こんなことがあってたまるか。未知の料理に心をときめかせていたのに、出されたのはただのピザじゃないか。

しかしよく観察してみると、やっぱり何かがおかしい。

「この星の住人は、ピザの上にラーメンを乗せて食べるのか……?」

何故だろう、ただのピザなのに。私は急にここが地球ではないことを確信した。ラーメンピザは、私の知っている地球には存在しないからだ。